『アリソン』

サブ・タイトル的に表現すると、『トップ・スターの若き日の姿』。
容姿と才能に恵まれたデビューして間もない若手ダンサー、健全な上昇志向を持ち、
着実にステップ・アップしつつある、そんな或る日の姿。次の公演では短いながらも
ソロ・パートを踊らせてもらえる事が決まった。それまではただ「夢」としか表現し得なかった事が
「もしかしたら・・・」と漠然とながら形を成し始める。彼女は密かに自覚する。そしてその「夢」を
細かなディティールを伴うものとしてあらためて想い描く。「Let's Go !」、ステージ・マネージャーの声が響く。
板付、彼女は暗転の舞台の中央にスタンバイする。闇を切り裂く様に8小節のドラム・ロール、CUEと
同時に一筋のスポットが真上から彼女を射抜く。無音、一瞬のシルエット、そして明転。光と音の洪水。
彼女は一気に「スウィングの女王」となる・・・ 

彼女には、ただのお人形では終わらないだけの『ドラマ』がある。


eimei